我が家のライブラリーの中から何気に
選んでの視聴だが、その 熱量に圧倒され
見入ってしまいましたよ
名作「飛べ!フェニックス」など骨太な
作風で知られるR•アルドリッチ監督らしい
どっしりとした演出が輝いています
ベトナム戦争が終戦後、あの戦争の裏側を
知ったデル将軍は.“口封じ ” のために
無実の罪で投獄されてしまう…
それから数年後、3人の仲間と共に脱獄
したデルは内部の構造を熟知している
核ミサイルの基地を占拠してミサイルを
盾にして米国政府に要求をつきつける!
義憤にかられ行動を起こす信念の男
96年に公開のM•ベイ監督の「ザ•ロック」
も同様のプロットを使うほどアメリカは
このシュチュエーションが好きみたいです
「ベトナム戦争はソ連に向けて米国の
確固たる威信を誇示するための暴挙」
政治的パフォーマンスのため多くの犠牲も
厭わない…政府首脳部の極秘文書の存在
なんだか “ ありそうな…” 陰謀がイイ!
あの悲惨な戦争の総括を求められていた
時代を反映してピリピリとした内容です
犯行グループの首謀者デルを演じるのは
長きに渡りハリウッドを支えて来た名優
B•ランカスター、大統領役には貫禄充分
C•ダーニング、冷徹な作戦司令に数多く
の悪役で名を馳せたR•ウィドマーク
他にもB•ヤングやP•ウィンフィードなど
70年代には欠かせない役者揃いです
マッケンジー司令の無謀な作戦により
核ミサイルの発射シークエンスが開始
される事態に陥ったりもします
ホワイトハウスの執務室では首脳陣が
顔を揃え対応にあたるのですが…
多くのメンバーはデルの要求を拒否しよう
とするのです
占拠されたミサイル施設と政治的な駆け
引きが繰り返される執務室、二つの現場を
分割画面で同時に見せることで緊迫感を
増すという手法を多用しています
かなり昔の作品ですのでネタバレに
関してはご容赦願いたいと思いますが…
最後通告を突き付けるデルに対して
文章の公表を決意する大統領をもはや
見捨ててでも秘密を守ろうとする政府の
冷酷さが不気味です
一方でデルもまた己の楽観的な政府への
期待を仲間に指摘されて呆然とする
当時の国民が抱いていた政府への不信感
を反映した内容が恐ろしいです
ラストの見せ場では多くの登場人物が
「Mr.president!」大統領への敬意と尊敬
を示しているのに “ 替わりはいくらでも ”
と言わんがばかりに、見捨てられ単身で
デルが待つミサイル基地に乗り込む姿が
印象深いですね
息絶える間際に腹心であった長官に約束
していた秘密文章の公開を確認するが
応えることなく立ち去ってしまうところが
全てを物語っています。