ハレルヤ

パリよ、永遠にのハレルヤのレビュー・感想・評価

パリよ、永遠に(2014年製作の映画)
3.7
1944年8月の第二次世界大戦下のパリ。連合軍の進撃で劣勢のドイツ軍。撤退する時はパリの街を爆破しろと命令を受けたコルティッツ将軍と、爆破を阻止しようと彼を説得するスウェーデンの外交官ノルドリングの2人の姿を描いた実話ドラマ。

同時期の出来事を描いた映画といえば「パリは燃えているか?」がありますが、この作品は戦闘シーンは極力抑えめで2人の人間の駆け引きを中心に据えたもの。

エッフェル塔やルーブル美術館、セーヌ川に架かる橋など数多くの建造物を爆破しようとするナチス側の抵抗作戦。自身の家族がナチスの手にあるだけに、命令を実行せざるを得ない苦境に立たされたコルティッツ将軍。生まれ育った街パリを守るために懸命に説得するノルドリング。

そこまで激しい言い争いは無くても、パリの街の命運、多大な人命を懸けた緊張感。タイムリミットが迫る息詰まる空気はかなり伝わってきます。元々舞台劇の作品なだけに、舌戦のみで押し切る作風は流石でした。

結末は分かっている作品ですが、エンドクレジットで現在のパリの街並みが映し出された時はグッと来ましたね。一歩間違えたらこの街も無くなっていた。もし爆破されたとしても復興出来たのかどうかは分からない。戦争の恐ろしさを改めて感じた一作でした。
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