Masato

バケモノの子のMasatoのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.7
細田守作品2作目の鑑賞。

細田守監督の時をかける少女を数年前に観て、これは傑作だ。この監督は信用できる。と思いたってバケモノの子を鑑賞。

端的に言うと、すごく面白い。緩急がしっかりしてて、迫力あるアニメーションは一級品。

ある日、母親を亡くし独り身となった9歳の蓮。人というものを信用できなくなり、代理の親から抜け出し、奔走する。
路上で通りかかってきたバケモノの熊徹に声をかけられ。無性に追い始めバケモノの世界に来てしまった。

というのがあらすじ。
互いに独り身の熊徹と蓮が、成長しあう様は、ベストキッドを思い出した。
そして年月は過ぎ行くのだが、ここからが人間とバケモノの世界を行き来することとなり、物語の世界観がさらに広くなり、バケモノの世界のストーリーラインと、人間の世界のストーリーラインが交じり合うところは必見。
親心を持った熊徹が、次第に愛を持ち、それが哀愁と勇姿となっていく姿が良かった。

人間の心にのみ闇が潜むという設定があるが、これは聖書を思い出した。
創世記で有名なノアの箱舟で、人間は失楽園で感情を持ってしまった。それは神からして汚れであった。
汚れた人間どもを浄化すべく、動物とノアの家族だけを船に入れ、大洪水を免れた。
動物は(ハイエナを除いて)純粋無垢な存在である。それに反して、人間は奥底に闇を持っており、結果汚れた存在になった。
これが、バケモノの子の設定と似てて感心した。

良くなかった点をあげると、人物の背景描写がすこし、物足りなかった感じはする。
熊徹、蓮、楓、そしてラストで敵となる人物。
ここらへんの背景をしっかりしてれば良かったという感じはした。

総評しても良い映画だった!!
普通に観て想像以上に面白くなるとおもうので、お勧め!

まさか、染谷将太さんと広瀬すずちゃんが吹き替えとは…結構上手くて違和感なし。
役所さんとそのた大御所さんも違和感なし!
Masato

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