クリーム

怒りのクリームのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.9
出演者全員の演技が素晴らしいのと指名手配の写真も上手く3人を合成した感じで、誰にでも当てはまる気がして、最後まで犯人が解らず面白かったです。
八王子市で夫婦が殺害された。現場には「怒」と書いた血文字。被疑者・山神一也は逃走。1年後、警察とマスコミが手配写真を公開し、広く呼び掛けていた。その頃、千葉、東京、沖縄で身元を明かさない男が3人現れ、彼等に関わる各々が疑念を抱き、信じる心を試されるのだった。




ネタバレ↓




結果、東京の同性愛者・直人は余命わずかの命であることを隠していた。千葉の田代は借金取りに追われているというのは本当の話で、名前を変えていた。沖縄の田中が山神だった。辰哉の実家での暴れ振りから、怒ると歯止めが効かない性格なのは解ったが、彼を信じていた辰哉が刺殺したので動機等は、謎のまま終わった。
信じる事で裏切られた時の絶望感と怒り。疑う事で後悔する怒り。どれだけ愛していても信じさせてくれる何かが無ければ、ただ受け入れる事は、本当に難しい。そして、一度疑いを持てば、それを払拭する事も難しい。面白い所を突いてくる映画だった。
そもそもあんなに簡単に身元の解らない人を信じないと思うし信じては危険なだが…。映画は、特殊なケースで、もっと濃密な関係になってから、心底信じるのが普通だと思う。本作内でも疑った人達はやり直しがきいて(勿論、後悔はするが)、信じて裏切られた人は、殺人と言う取り返しのつかない事を犯してしまう。やっぱり、安易に人を信じてはいけない!と言う事なのだと思う。
ミステリーでありながら、人間の心理をも考えさせられる面白い作品でした。
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