へちまびと

シン・ゴジラのへちまびとのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.0
「今までのシリーズ作品を超えた何かになった」「ゴジラという虚構以外を全て現実にした映画」といった論評とともに高い評価が定着した作品だが、個人的には「そこまでのものか?」という疑問を持っている。

まず現実と言われる人間側のパートにあまり現実味がない。人物描写がアニメっぽく、誰を見てもイマイチ実在感がない。

政府の動向や大衆といった引きの描写は良いが、寄りの描写である個々人のディテールがご都合主義的で、ここに強く「虚構」を感じてしまう。現実っぽい描き方なだけにそういうアラが目立つ損な作りをしている。

ただ、「特撮」「ゴジラ映画」という「様式美の確立された」カテゴリー映画としては傑作の部類に入ると思う。