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シン・ゴジラのTorichockのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.0
「シン・ゴジラ」

樋口真嗣の被災者である我々全国民(僕はあの監督の細菌は好き)と、画面の中に入ってぶっ殺してやりたいクソうざったい主人公ランキングで、のび太と競い合う「エヴァンゲリヲン」のムーブメント及び、ファンとその作り手に複雑な気持ちを持つ僕としては、もちろん、例によって期待など一切なかったのですが、周りの劇プッシュと岡田斗司夫の野郎が気持ち悪くてうるせぇから、こいつとは同じ感想は絶対抱かんぞ、ガマガエルめ!を証明するために観に行ってきました。

まずは僕とゴジラの関係から。
それこそ、物心ついた時から父親の仕事の影響で、年末?寒い時期にいつも、父と二人で平成ゴジラを見に行っていました。たぶん、「vsビオランテ」〜「vsデストロイア」まで。
父がプラモデルを作ったりするのがめちゃめちゃ上手く、家には完成度の高いゴジラフィギュアがあったし、子供心にウルトラマンや仮面ライダーとは別の特別な存在として、ゴジラは僕の中で鎮座していました。
それは今でも同じで、映画を観に行くという行為や父との幼い思い出の蜜月として、ゴジラは僕にとって宝物のような存在です。
だから、2014年版の「GODZILLA」がいくら酷評されようとも、僕はあのハワイで初お目見えするシーンには感動したし、なんならソフトだって買いましたさ、はい。
ちなみに、去年二人きりで一緒に「ワイスピ SKY MISSION」を見に行ったなぁ、多分20年ぶりくらいにね。

なので、思い入れはあります。昭和ゴジラとかは観ていないし、ゴジラに秘められたテーマとかそういうことは、人並み程度にしか理解はしていません。でも、大切なんです。

だから、今回の「シン・ゴジラ」
もちろん一切期待などしていませんでした。

が、蓋を開けてみれば、
なるほど!これはうまくできた作品だと思いました。

長くても10秒いかないくらいのカットで繋ぎまくるやり方は、まるで漫画のコマや、アニメの絵が目眩く変わるかのよう。
初代ゴジラのリメイク?というか現代版らしいのですが、今回はゴジラが脅威であり、日本人がゴジラに対してどう対処するか?が物語のキーポイント。言っちゃえば、人間の動きに着目した災害映画にも近い。
考えてみれば「エヴァンゲリオン」も、使徒の襲来に対して人間がどう対処するか?に追われて続けている、災害映画といえば災害映画な作品ではあります。

とにもかくにも、長回しもなく、日本映画お得意の、たっぷりためた感情の吐露やタイムリミットど返しのせめぎ合いが入る余地がないほど、パッパと切り替わり、早口で矢継ぎ早に進んでいく会話劇が、どこか不思議なライド感になっていて、イイ感じに迷惑極まりなく、絶望感もしっかりと内包している、本当に怖くて楽しい災害ゴジラ映画になりました。

いろんな有名キャストがコロコロと出ては、ゴジラに振り回されていくわけですが、やはり映画が始まり開口一番で、トンネルの中でテンパるあっちゃんこと前田敦子の顔が素晴らしく、映画の楽しさを予感させていましたし、僕が一番笑ったのは、斎藤工の戦車ですね。斎藤工はもう特別視せずにはいられない人なので、この人が演技してるのを見るのが好きだし笑える。
斎藤工の「FURY」姿を見れてお腹いっぱい。
石原さとみに関して言えば、僕は世間一般がいう、

石原さとみ=カワイイ

にめちゃくちゃ懐疑的な意見を持っていまして...。
例えるなら、昔、不良だったやつが就職したら、みんな褒めるじゃないですか?
よく頑張った的な感じで。昔は芋っぽかったのに、化けたところがいいんですよね?だから石原さとみ=カワイイは、その"伸び率"を褒められてるだけでしょ?
と思ってるんですが、どうでしょう?
いや、ガッキーとか堀北真希とか昔から大天使で、大人になっても天女のように美しいし。てか、カワイイって本田翼やし!(知らんがな)

だって「ウォーターボーイズ」の時の石原さとみ、大根みたいにぶっとい足ニ本で走りながら、市原隼人にラリアットしてた人ですよ?
というわけで苦手なんですよね、宗教的にも...おっと!!これはダメなやつだな。

今回の役柄は、完全に"惣流 アスカ ラングレー"ですよね。ちなみに、彼女のシーンだけは割とカットが長く、石原さとみの登場しているシーンは盛り上がりに欠けていると感じました、これは好き嫌いではなく。

個人的な話でいけば、この映画を観に行く際に使った道は、いつも映画を観に川崎に行く時に使っている第一京浜で、東京湾からゴジラが進んでくる時の進路を、"おっ、ゴジラここから来んのか"とか地形的に想像しやすかったのも楽しさの要因の一つでした。
恐らくは、序盤で潰れたはずですね、僕のうちは。
自分んちがぶっ壊れていくのを見るというなかなかの体験。
あと、僕は大好きですよ、在来線無人爆弾。
アホか!ああいうの、大好き。

やはり、みなさんの思い入れの強いレビューに水を差してしまうかもしれないけど、傑作とかは個人的には思わなかったです。
いや、めちゃくちゃ面白かったは面白かったんですけど、やはりどこかムーヴメントという空気感は否めないし。というか、傑作かもしれないけど、僕はもう熱くなったり、燃えたりできなくなってるだけなんですけどね。


さて、今回はどうしめくくろうかと思ってたんですけど、一つゴジラにお願いしたいことを書きます。

TOHOシネマズ川崎でみたんですけど、僕の後ろの席に、えーーっと...はい、ブスが二人座っていまして、こいつらが映画の序盤ずっとぺちゃくちゃしゃべってるんですわ、かなりのボリュームで。
しかも、どの俳優が出た!とかそんな、クソくだらないことを。

こちらは「葛城事件」以降、三浦友和の血が入ってますからねぇ、そりゃ言いましたよ、うるせぇよって。
そしたらですね、片割れがずーっと咳をし始めたんです。ゴホッゴホッずーっとしてるんですよ、映画が終わるまで!!
ポップコーン食ってるのか知らないけど、飲み物飲んだり、咳がうるさすぎるんだから、一旦席を外したりしろよ!!!

しかも、こいつの咳が伝染したのか、館内で咳がチラホラ聞こえ始めたんです。
なんなんですか?「シン・ゴジラ」って、見てると咳が出るガスとか出てるんですか?
普通に2Dですよ?

というわけで、ゴジラには多摩川から上陸しても、いきなり都内を目指さずに、一度川崎のDICEに寄り道をしていただいて、僕もろともぶっ潰していただきたいものです。

オレの口から、放射能光線を口移しで吐いてやりたいわ!
...ゲロゲロ、それも気持ち悪いからやっぱやーめっぴ。

お前ら、2度と来るな!!!!!!!


追記

そういえば、まだ虫歯1本残ってたから、歯医者いかなきゃと、映画観てて思いました。
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