MasaichiYaguchi

ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューションのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
スーザン・コリンズの小説「ハンガー・ゲーム」3部作をジェニファー・ローレンス主演で映画化したシリーズも本作で完結。
原作の最終作「ハンガー・ゲーム3マネシカケスの少女」を2部作にしたので全4作品という構成になったが、本人も代表作と言っている本シリーズは、カットニス・エバディーンを演じたジェニファー・ローレンスの存在無しでは成立しなかったと思う。
シリーズ完結編に相応しく、様々なこと、独裁国家パネムを支配するスノー大統領との対決を中心とした政府軍と反乱軍との最終決戦の行方、カットニスに思いを寄せるピータとゲイルのこと、これらの雌雄が決して大団円を迎える。
シリーズ集大成である本作は、途中何度も挫けそうになったり、葛藤したり苦悩したりして、身体だけでなく心に幾つも傷を負ったヒロイン・カットニスは、ある一つの点において最初から最後までぶれずに一貫していたと思う。
それは妹や母という家族、ピータやゲイルという幼馴染という彼女にとって大切な人々を守り抜くという姿勢。
だから彼女は大切な人々を脅かす存在が如何なる者であっても許さないし、その相手に対して得意な弓矢で立ち向かっていく。
「ハンガー・ゲーム2」の終盤で自分たちを圧政で苦しめる絶対的権力に一矢報いるように矢を放ったが、本作でも彼女の怒りと志を乗せて一矢が放たれる。
本シリーズで描かれた独裁国家パネムはフィクションだが、程度の差はあれ、このような圧政国家は世界には未だ幾つもあるし、そういう世界では日常茶飯事に権力闘争というパワーゲームが、国民を蚊帳の外に置いて繰り広げられている。
このような世界で真の勝者とは、その生き方とはという問いに対し、本作ではラストのヒロインの姿で答えているような気がする。