chi

独裁者と小さな孫のchiのレビュー・感想・評価

独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)
3.9
これはなかなかにすごい映画だった。感想を書くのが難しい。

国中を全て自分の思い通りに動かしていた独裁者がクーデターにより全国民から追われることになり孫と逃げる話。
逃避行の中で出会う人々の描写がきつい。そのどれもがどこかの国で本当に起こっていることのようで、ドキュメンタリーのように錯覚した。娼婦。花嫁が目の前でレイプにあっていても助けない人たち。私を撃って。拷問された政治犯たち。恋人を思って耐えられたのに時間が止まっていたのは自分だけ。知らない少年を孫と偽ってくれたおばあさん。自分の息子を殺した犯人を許した独裁者。幼い子供を独裁者の孫だからという理由で殺そうと囲む大人たち。復讐は同じ悲劇を繰り返すだけ。踊らせろ、民主化のために。
chi

chi