独裁者と小さな孫の作品情報・感想・評価・動画配信

『独裁者と小さな孫』に投稿された感想・評価

emi

emiの感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

独裁者とまだ幼い孫がクーデターによる政権崩壊で命を狙われ国内逃亡をする話。

街中の灯りを命令ひとつでつけたり消したり、そんなシーンで始まる本作。
幼い孫は唯一の男の子で、おそらくこの国を背負って立つことが決まっていたのだろう。この無垢な戯れに一体どれだけの人々が振り回されるのかも、国民がどのような生活を送っているのかも知らぬままに…。

孫にゲームだと教え込み、旅芸人のふりをしながら逃亡を続ける大統領達。ここまで逃げれば、国境までいけば、兵士たちの目を掻い潜りながら続く旅路で、残念ながら彼に救いの手を差し伸べるものは殆どいない。
その道程で政治犯として投獄され拷問を受けた者、無秩序な兵士たちに犯され死を選んだ花嫁、撃ち殺される女子供。国民の殆どから憎しみの声を聞かされ死を願われるような大統領達の旅。

大統領の心中が語られる台詞はないが、凄惨な光景を目にしながら、信じられないとでも言うような戸惑いの表情が彼の独裁ぶりを物語る。
孫はただただ教育されたままに大統領である祖父を慕っているし、ゲームが終わればアイスが貰える。宮殿に帰れる、愛しいマリアと再会できると信じている。
大統領も悪人として露骨に描かれることはなく、どちらかといえば無知な印象だ。このように思われていることを想像だにしていなかったかのよう…。国民からすれば余計にタチの悪い話ではあるが、実際そんなものなのかもしれないと妙に腑に落ちる面もあった。


浜辺に作られた砂の宮殿が脆くも波に攫われていく様子が国の崩壊を物語っていた。
あの後、大統領はどうなったのだろう。絞首刑にしても、火炙りにしても、これでは何も変わらない。民主化のために踊らせる…そう提案した男の言葉は受け入れられたのだろうか。
願わくばそうあってほしい。


余談としては、ダンボールを被せられて旅芸人の孫として踊る孫が絶妙に可愛かった。
chi

chiの感想・評価

3.9
これはなかなかにすごい映画だった。感想を書くのが難しい。

国中を全て自分の思い通りに動かしていた独裁者がクーデターにより全国民から追われることになり孫と逃げる話。
逃避行の中で出会う人々の描写がきつい。そのどれもがどこかの国で本当に起こっていることのようで、ドキュメンタリーのように錯覚した。娼婦。花嫁が目の前でレイプにあっていても助けない人たち。私を撃って。拷問された政治犯たち。恋人を思って耐えられたのに時間が止まっていたのは自分だけ。知らない少年を孫と偽ってくれたおばあさん。自分の息子を殺した犯人を許した独裁者。幼い子供を独裁者の孫だからという理由で殺そうと囲む大人たち。復讐は同じ悲劇を繰り返すだけ。踊らせろ、民主化のために。
すぎち

すぎちの感想・評価

3.7
架空の国を治める独裁者の大統領がクーデターにより失脚

国外逃亡を謀るもかつての部下たちに阻止され…また命を狙われて
幼い孫ともに国内を逃亡する





▽以下ネタバレ注意▼





当初は横暴な態度で住民たちを脅し服を奪ったり髪型を変えたりして変装をし逃げ回っていたが、その過程のなかで国民が理不尽な仕打ちを受けたり大統領を批判する意見を直に聞いたりしていくうちに大統領も変化していく…

監督が伝えたいのは
ラストの住人の言葉だと思う

憎悪は憎悪を生み出す…

追記
・独裁者というワードでイラクのサダム・フセインやリビアのカダフィ大佐を思い出した

独裁者とは思えないような最期だったよね

・オープニング時の国民の迷惑を考えない2人のやりとりは滑稽で笑った
きゃ

きゃの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人間の敵は人間なんだと認識する。

孫息子の無邪気さが現実との対比で苦しくなる。
大統領自体も息子夫婦をテロで殺されている、その苦しみを独裁という形ではないほうへ活かせたらきっと国民の支持も変わったのかもしれない。

その他大勢でしかいれない民衆は、
大統領を支持していた過去さえあれど今は反体制派にいる。
民意とは何なのだろうか。と考えさせられる。
YasTkg

YasTkgの感想・評価

4.0
衝撃の結末をちゃんと映像で見せて欲しかった。
十分想像はつくのだけど。
chocochoco

chocochocoの感想・評価

4.0
しんど。戦争映画に続けて、今度はクーデター。ここんとこ、予想外の内容に泣かされてます。
ほのぼのとした作品と思ったのが間違い。冒頭で、まもなくクーデター勃発。捕まったら殺される大統領と幼い孫に、完全に感情移入。「すべての人が敵」という驚異。題名だけで内容を推測して観るのは、やめときます。
架空の国の話。
独裁政権で酷い事をして来たと言っても、怒れる民衆ではなく逃亡する老人と幼い孫に感情移入してしまうのは必至。
最初は銃で散髪屋を脅すなど傲慢さが窺える。
皮肉にも革命軍によって解放された政治犯と一緒になり、拷問で負傷した者を背負いながら息子夫婦の殺害を聞かされても耐える大統領。
かなりヘビーな展開もあり、無垢な孫を見ていてもヒヤヒヤ。
matsu

matsuの感想・評価

4.2
2014年ジョージア、イギリス、フランス、ドイツ合作映画

モフセン・マフマルバフ監督作品
(先日鑑賞したアフガニスタンの惨状を描いた映画「カンダハール」の監督)

「カンダハール」もそうだったが、非常に興味深い内容



※ネタバレ含みます

ヨーロッパの架空の専制国家において反政府軍によるクーデタ一が起こる

独裁者である大統領に懸賞金がかけられる

大統領が国民全体から追われるストーリー(あちこちで厳しい検問あり)

銃で脅して庶民から服を奪い取り(自分の分と孫の分)、かつらを被り変装して逃げまくる大統領

彼は国民の生活を顧みずに自分たち大統領一家が潤う事だけを考えてきた独裁者

気に入らなければ庶民を簡単に処刑してきた独裁者

国民が飢えて貧しくとも決して手を差し伸べる事をしてこなかった独裁者

彼は捕まったら確実に処刑される運命

(国全体が無法地帯と化す、強者は弱者から食料や金品を容赦なく奪い去る、軍人たちが若い女性に性暴行を行う)

終盤まで上手い具合に逃げ隠れていたがある事をきっかけに大統領だとバレる

大統領と小さな孫を殺気立った大勢の市民や反政府軍の軍人たちが取り囲み…


※ロシアの現大統領がちょうどこの作品に出てくる大統領と重なる

※歴史的に見て私腹を肥やした独裁者たち(リビアのカダフィ大佐やルーマニアのチャウシェスク大統領など)は悲惨な死に方をしている

※ロシア国民やウクライナ国民がいくら死んでも何とも思っていない独裁者プー○ン大統領もこの作品のような運命を辿るのだろうか……(辿ってほしい)

クーデターで地位を追われた独裁者と幼い孫の逃亡の旅を描く。

冷酷な大統領が支配する独裁国家でクーデターが勃発する。大統領の家族たちがいち早く国外へ避難する中、幼い孫だけは駄々をこねて大統領のもとに残ってしまう。やがて政権は完全に崩壊し、大統領は小さな孫を抱え、素性を隠しての過酷な逃避行を余儀なくされるが…。

犯した罪の重さ…。

ヨーロッパで亡命生活を続けるイランのモフセン・マフマルバフ監督が平和への想いや未来への希望を込めた作品。
foyfooy

foyfooyの感想・評価

3.8
目を覆いたくなるようなシーンが続く。
辛いけど、観て良かったと思う。
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