過剰な演出のないサラリとした北欧ミステリー
終始、仏頂フェイスのカールとキャリアはないけど有能なアサドの刑事二人。彼らの仕事は終わった事件の資料整理なのに、「これ、自殺じゃなくね?」と勝手に捜査を開始してしまう。もちろん上司にはナイショ。
彼らが注目したのは、自殺で処理された女性の失踪事件。彼女が消えたフェリーには、自閉症の弟もいた。目撃者の証言から弟はレインコートの男といたことが判明。二人は捜査権がない中でレインコートの男を探し始める。
実は、女性は拉致監禁まっただ中。監禁なう。観客は衰弱していく彼女を案じながら捜査を見守りつつ、やがて意外な犯行動機を知ることになる。
そして刑事モノといえばキャラクターが結構重要。
二人はダイハードのジョンマクレーンのような武闘派でもなければ右京さんのような知性派でもなく、はっきり言って超地味。
でも人付き合いが苦手なカールをアサドがうまく補っていて、なかなかのコンビネーションを楽しめる。キャラが濃すぎないぶん、脚本が際立ち良質のミステリーの仕上がりになってると思われます。おすすめ。