南半球

ビューティー・インサイドの南半球のレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
3.5
上野樹里になった日が一番好き。お互い言語は認識できるのに話せない同士というのも面白いシチュエーション。ハッピーエンドのシーンでもっとおじちゃんとかおばちゃんにしてくれてたらもっと好きだった。「美女と野獣」で結局王子様イケメンだった時に感じたような、ルッキズム批判とはなってないところが少し惜しかった。アイデンティティとは何か、内面を愛するとはどういうことか、音楽を再生するための穴の空いた机は果たして素敵なのか、色々と深遠な問いを提示している。ジェンダーフルイド的なもののメタファーとしても見ることができて楽しかった。
「顔は変えることができないけれど、顔付きは変えることができる」と誰かが言っていたのを思い出す。主人公の役を様々な訳者が演じていたが、そこはかとなくただようメランコリーと職人としての堅実さみたいなものはきっと通底していて、割と一貫したアイデンティティが滲み出ていた気もする。
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