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ビューティー・インサイドのYのレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
4.8
設定がもう秀逸なので、冒頭から何がどう転んでも号泣展開ではないか、と、先にあれこれストーリー展開を想像しては勝手に泣けてきた。

外見より中身重視って話で、最後2人はいろいろ乗り越えてその結論に至るわけだけど、同時に外見の重要性あるいは必要性にも帰着する。

街中で生活するにも、人の間で仕事するにも、視覚によって立つところは大きく、恋人関係に至っては、顔の造形の良し悪しを抜きにしたとしても、相手の表情から信号を受け取るのだろうし、相手の見目形も愛着の蓄積の対象のひとつになるものだろう。

そんな中、毎日見知らぬ人が照れくさそうに自分に寄ってきて、形も感触も質感も違う手や肌で触れてきたら、よっぽどの人類愛でもなけりゃ、口元ヒクつかずにはいられないんじゃないか。
私は目のない植物で、あー、そう、この陽の光の感じが好きなんです、そう、これです、やはりこれが好きなのです、という境地にまでいくしかない。

ウジンも、冴えないおじさん、おばさんでの姿ではTPOに合わないと感じているし、実際イケメンであればナンパもうまく行くし、イケメンでいい思いをすると、その反動で翌日はハゲ散らかすし、ルッキズムやむなし、やはり若さです、とされていたシーンについては、毎日同じ顔でないことの、ある種不便さの点に加えて、インサイドだけビューティフルで十分なのか、と
いう点にまで話が及んでいる気もした。

職人の椅子や家具が出てくる中で、ヒロインの名前がイスというのは、わざとぶつけてきてるのか?

123人のウジンさんお疲れ様。
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