Tai

はじまりへの旅のTaiのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.6
常軌を逸した家族!…常軌ってなんですか?

資本主義を嫌い、山奥で暮らす一家。
子供達は学校どころか一般社会と触れ合うことなく生活しています。
しかし、野生児というわけではなく、父自ら訓練させて身体を鍛え上げ、その辺の大学生よりも教養問題を論じることができるスーパーキッズ達。
そんな彼らのお母さんが亡くなったと知らせを受け、葬式のために街へと繰り出すことに。
初めて触れる一般社会は子供達にどんな試練として立ちはだかるのか…?

鑑賞中に思い出したのが大家族のドキュメンタリーで話題になった『痛快!ビッグダディ』だったんですよね。
お父さんのスペックが段違いですし、社会からの隔離っぷりは本作の方が相当ぶっ飛んでいるのですが、家族というコミュニティを強調すると他の要素が立ち入る事が難しくなる感じが似ているなーとか思って観てました。

まあ本作のお父さんはぶっ飛んでましたね!ただ、人里離れてスローライフをしていきたいとかではなく、子供の知識も体力も磨き上げてしまうというのは素晴らしいとしか言えませんでした。

しかも、いわゆる世間と触れてからの展開で「普通とは何か?」「何が人間にとって正しいのか?」を痛烈な程に投げかけてくる感じはメッセージ性としては高レベルな作品だったんじゃないでしょうか。

ただ…切り口は興味深いし、結論も非常に理解できるのですが、いかんせん共感しずれぇ〜と思ってしまいましたね(;´Д`A
私自身が一般社会人なので、なんだか始終叱られている気がしてくるし、かと言ってこの家族と同じ目線に立つにはこれまでの自分を足元から否定しなくてはいけなくなる感じがしてしまいました。
いっそ同じ設定でも異世界ファンタジーなら素直な気持ちで物語に入り込めたかなと。
大切ですね。異世界ファンタジー 笑


映画のレビューをまとめるのも時間を要している私の前に、あんなスラスラと論じる少女が現れた日には義務教育の卒業証書を返還したくなりますね( ̄▽ ̄;)
Tai

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