ちょげみ

クリード チャンプを継ぐ男のちょげみのレビュー・感想・評価

3.9
【あらすじ】
アドニス・ジョンソンは自身が生まれる前に亡くなった父アポロ・クリードの影を追い、日々ボクサーになる為の訓練を続けていた。
そして、母の反対を押し切りながらフィラデルフィアに向かい、父の盟友でありライバルであった伝説的なボクサー、ロッキーにトレーナーになってくれと頼み込む。
数回にわたる説得の末ロッキーを口説き落とすことに成功したアドニスは、ロッキーと二人三脚でボクサーを目指し厳しい修行に臨む。。。


【感想】
「学校が終わったベルじゃないぞ。続けろ!地獄の始まりだ。」

面白い!!ボクシングがこんなにも魅力に富んだスポーツだったなんて知らなかったな。。


今作品は、ボクサーとして生きていくことを決意したアドニスが本物のボクサーになっていく過程を描いた作品だが、物語の緩急が自在に設定されている為、最後まで飽きることはない。

ボクシングの練習と試合のシークエンスはもちろん、歌手志望の女性ビアンカと愛を募らせていく恋愛映画としての様相をなしており、また、ロッキーとアドニスとビアンカ、血の繋がらない三人が彼らなりの関係性のあり方を探っていく、家族のあり方を問う映画にもなっていた。
恋愛パートとほのぼのパートで観客に息をつかせながら、ボクシングパートでより深く画面に没頭させる。
スポーツ映画やアクション映画ではいかに観客の緊張の糸を保てるかが製作側の見せ所の一つだけど、今作品はそれに見事に成功していたかな。


そして最も目を惹かれるのは何と言ってもボクシングの試合。
リングの中で繰り広げられる試合は実際に選手の目線に立っているかのようであり、臨場感と没入感がハンパない。
何より対戦相手の怖さというのがひしひしと伝わってくる。
『THE FIRST SLAMDANK』でもそうだったけど、相手の体格、筋肉、目線、オーラ、敵意、息づかい、目の中に潜む闘志というのが肌を通じて直に伝わってきた。
数メートル、数十センチの距離を挟んで見る相手は威圧感を湛えたファイターであり、観客に恐怖感と高揚感を与え、生物としての闘争本能を刺激し、血が湧き立ってくるのを感じることができる。

恋愛物としても家族物としてもよくできていたと思うけれども、やはりボクシングの試合というのが一番の見所でした。
ちょげみ

ちょげみ