JAmmyWAng

エイリアン:コヴェナントのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
3.9
エイリアン版・情熱大陸という感じ。

カルロ・ブガッティの椅子、ピエロ・デラ・フランチェスカの絵画、そしてミケランジェロのダビデ像(David!)といった至高の芸術に呼応するかのように、パーシー・ビッシュ・シェリーの謳ったオジマンディアス的な精神によるクリエイションそのものが、エイリアンにおけるディテールではなくコンセプトを繋げていったという趣。
ウォーボーイズでなくても、ワーグナーの『ラインの黄金』と共にヴァルハラの扉を開いたマイケル・ファスベンダーはイモータン様に誉められても良いと思う。

このように崇高で直接的なモチーフに溢れている中で、死亡フラグが死ぬほどビンビンのシャワーシーンが平然と織り込まれるという、ホラー映画的な直接性も忘れないその心配りが憎いなあと思いました。

一方で歴代シリーズにおけるアンドロイドの名前が(A)sh, (B)ishop, (C)all, (D)avidと来て、今作ではまさかの(W)alterだという(W)TFな展開も、リドリー・スコット本人から「それは単純にDavid GilerとWalter Hill(脚本・プロデュースでずっとエイリアンに関わってきた人)から取ったんだよ」という公式アンサーが出たようなので、フェイスハガーの力を借りずとも今夜はぐっすり眠れそうです。
JAmmyWAng

JAmmyWAng