ムーミン谷の彗星は好きだ。子供の頃に何度も繰り返し読んだ。不安と死の色が横溢してる。世界の終わりの閉塞感に満ち、冒険は常に命の危険を伴っていて、ネガティブな同行者が怯え続けている。しかし、とうのムーミントロールは、空とか燃えるように真っ赤なのにもかかわらず、家族と家という場所を信頼しきり、恋にうつつを抜かしていたりして、妙に能天気だ。その狂気に近いすっとぼけ感も好き。
映画の話をすると、目が突出してるみたいなパペットデザインも不気味で嫌いじゃない。世界から色が消えた絶望的な感じはモノクロ挿絵のほうがあったかも。
