れな

ボーダーラインのれなのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.9
数年前のメキシコ旅中にバスの乗り換えで、今作の舞台の一つとなるフアレスに足を踏み入れた。

夕方の帰宅ラッシュが始まった時間帯で、母娘の親子が私を見つけるなり「何をしているんだ、危ないからこっちへ来て」と英語が話せるオーナーが営む、鉄格子付きのカフェへ連れて行かれた。

「バスの時間までここにいろ」と言われた。
オーナーから麻薬戦争について多くの話を聞いた。
珈琲代もいらないと言う。
その代わり、この街で起きている悲劇が終わることを願ってほしいと言われた。
3時間後、息子がバスに乗るまで見送ってくれた。

これが私たち日本人が危険だと感じるメキシコ人の本来の姿です。

今作は麻薬戦争ドンパチではなく、麻薬が引き起こした悲劇の側面を描いている。

メキシコ危ない、怖いではない。
麻薬が壊すものは本人の人生だけではない。
家族の平穏を壊す。
麻薬の弊害はここにもある事を私たちも知るべき作品だった。
れな

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