ゆず

ザ・ブリザードのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ブリザード(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

波のド迫力に、見ながら体が動いてしまった。ある程度の人数は助かるんだろうと思ってたけど、まさかあんなに大勢助けちゃうとは思わなかった。砂州を無事に超えられた上に、コンパスなしにタンカーまで辿り着いたってのがまず奇跡なのにな。これが実話ってすんごいな…。

1年前の事故の事や彼女の事をチクチク言われ続ける沿岸警備隊、「俺は皆に好かれてない」って自分でいっちゃう機関士。頼りがいがいまひとつだった二人がメインで活躍するのが面白い。幸運だったのもあるけど、二人とも元から腕は確かだったんだろうな。バーニーの方は、過去の事故からくる確執と、漁師と沿岸警備隊っていう職業柄。シーバートの方は、多分性格と…やっぱり派閥みたいなものがあったのかな?タンカーの人たちは機関士と料理人以外は何する人なのかな。よくわからない。

上官イラっとくる役だったけど、あの無茶振りがあったからこそあれだけの命が救われたんだよね。あの人、本当に救助したくて命令してるのかガチで無能なのか分からなかった。まぁどちらかというと無能にしか見えなかった。でもエリック・バナは好き。…そういえばタンカー折れたのも、船長が話聞かなかったせいだったw話聞かない上司に大多数の命が握られてるなんて恐ろしすぎる。

熱いシーンがいっぱいあったな。実直で善良なクリパ。頼りがいなさそうなくせに終始かっこよい。沿岸警備隊の他3人とシーバートもやたらかっこ良い。特にケイシー・アフレックとベン・フォスター、大好きだー!

残念だったのは個人的には恋人役にあまり魅力を感じなくって、「もうこっち側はいいからタンカーと船見たいなー」ってなっちゃったとこ。だって出会いから救助に向かうまでのシーン、バーニーの過去や性格や葛藤は把握できても、彼女の魅力がルックス以外よくわからなかったんだもん…。ああ、でもオッサンに「恨んでない」って言って去ってくシーンはカッコ良かった。

中でも好きな場面は誰が船に乗るか決めるとこ、4人が歌い出すとこ(エンディングで曲流れてた!)、シーバートが呟いた「俺だって怖いさ、アンタと同じで生きてるんだから」みたいな台詞。

出てくる人出てくる人、みんな言葉少なで、かわりに視線や表情で語りまくってて、ああもうかっこいいな!アイコンタクトがやたら多い映画だった。言いたいことがあっても口に出さない場面が多い。そもそも怒鳴らないと声が聞こえないような状況だったり、口に出さなくても伝わることだったり、は口出したくない、出しても意味がない、みたいな内容ばかりだってのもあるけど、バーニーとシーバートは普段から自分の意見あんま主張しなさそうだなあ。
ゆず

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