けまろう

最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲のけまろうのレビュー・感想・評価

4.5
『最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』鑑賞。国際結婚をテーマに多様性に対するメッセージが込められた作品。ドゴール信者の父親とカトリック左派の母親を持つヴェルヌイユ家。フランス人の婿を貰ってほしいという両親の願いとは裏腹に、姉三人が結婚したのはアラブ人、ユダヤ人、中国人。両親の願いは最後の頼みの綱末娘ローラに託されるが、そのローラが連れてきた結婚相手はなんとコートジボワール出身のシャルルだった。両家の結婚は果たしてうまくいくのか…という設定はよくありそうなコメディ映画ですが、もうとにかくはちゃめちゃに面白かった。
人種差別や宗教問題、民族観などの繊細な問題をコメディタッチで触れながらも、感動的なラストで締めくくる構成が最高。早々に国際結婚を受け止める両家の妻たちに対して、旧時代的な思想を口にする夫たちの姿から、やはり21世紀は女性が活躍する社会なのだということが実感される。エンドロールのダンスシーンもハッピーでしかない。まごうことなき傑作だが、これと『さざなみ』の同時上映はちょっとエグいんじゃないか@ギンレイホール
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