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ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男のHKのレビュー・感想・評価

3.6
やっぱりマシュー・マコノヒーはクリスチャン・ベールに似ています。
このジャケ写も最初ベールかと思ってしまいました(あ、N-NEXTとfilmaでジャケ写が違う! でもどっちも似てる)。
もしも2人とも頬がコケタ髭ヅラの役で共演したら区別がつきませんね。
ダークナイトvsニュートンナイト?

で、本作は南北戦争時代の知られざる実話を描いた作品。
ニュートン・ナイトとは、本来属していた南軍の横暴に抵抗し、白人と黒人の混成部隊(女子供含む)を率いて南部からの独立を宣言、リンカーンの奴隷解放宣言より一足先に白人と黒人を平等とするミシシッピー州ジョーンズ群を設立(原題“Free State of Jones”)したとされる実在の白人男性です。

西部劇の時代背景としてもよく登場する南北戦争は、同じアメリカ人同士が殺し合い60万人の犠牲者を出した合衆国唯一の内戦です。
たかだか160年ほど前のこの戦争は1861年に始まり1865年に北軍の勝利で終結しましたが、終結直後にはリンカーンが暗殺され、同年にKKK団が結成されるなど、終結は形ばかりで根本的な問題の解決に至らないまま現代のアメリカに尾を引いていると言えます。

マコノヒーは、出世作と言われる『評決のとき』でも現代のミシシッピー州で人種差別と戦い、『アミスタッド』でも奴隷解放の前哨戦とも言える“アミスタッド号事件”で差別と戦う役を演じていますが、偶然にもテーマが似ている作品を選んでいる訳ではないのでしょう。
主要キャストは他に同時期に公開された『ムーンライト』が話題になったマハーシャラ・アリ、『女神の見えざる手』のググ・バサ=ローなど。

黒人奴隷と結婚し黒人奴隷と共闘した白人であるニュートン・ナイトは決して多くのアメリカ人から支持されている人物ではないらしく、それがかえってアメリカの人種差別の根深さを物語ってもいます。
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