ミク

ブルックリンのミクのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
4.0
保守派カトリック教会の影響力が大きかったアイルランド。93年まで同性愛は違法とされ、しかも95年までは離婚さえも認められてなかった!今作の舞台は50年代なので、当時は保守派の抑圧でがんじがらめだったことは想像に容易い。

そんな中、姉に希望を託され、アメリカのブルックリンに出稼ぎに行く主人公エイリシュ。言葉は通じるといっても全く文化の違う不安と、その反面”自由”を手にできる嬉しさ。そんな複雑な心境を顔面アップの繊細な表情で魅せてくれるシアーシャ・ローナンに鳥肌立つ。特にジャケットカバーにもなってる場面なんて、彼女の佇まいだけで心が動かされる。

アメリカを築いたのは移民たちだとシンプルに伝えたり、トランプ政権に対する挑発的な一面もある。全体を通しては純文学を読むような趣きがあって、愛し愛される相手がいることの力強さがまじまじと感じられる。慣れてない土地だからこそ、現実味のない夢希望たっぷりの愛に溺れてしまう感じに、胸キュン。
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