natsumi

ゴースト・イン・ザ・シェルのnatsumiのレビュー・感想・評価

3.2
随所に原作への高い敬意が感じられる良作だった。
まずスカヨハの少佐は存外に良かった。インタビューでもあったけど硬質な中にあどけなさが加わってとても魅力的で、特に目に惹きこまれた。バトーはドンピシャだし、トグサもまぁよかったかなぁ。たけしの荒巻は、銃持たせるともう流石って感じ。
ランドスケープデザインは見事で、情報量が多すぎて観るのが大変なほど。原作の95年にアジアンゴシックというと香港一択だったろうが、2010年代のそれはヴェイパーウェイヴやカニエ・ウエストの「Stronger」PVでも分かるように、東京なのである。なので随所にヘンテコな日本語が散りばめられ、とても面白い。かなり見応えがあった。有名な水上格闘シーンも最高でした。
衣装デザインも良かったです。光学迷彩スーツなんて素材から作ったらしいけど、少佐の普段着なんかもとてもクールでした。
そしてクゼのキャラクターにはやられたなぁ。なんともいえないアートな魅力があり、良かったっす。
とにかく、全体的に意外と良かったっす。アクションも、派手すぎず俳優がほとんど演じてて生っぽい(「アサシンクリード」もそうだった。生っぽさは今のアクションのキーワードかな?)。もっと長くてもわたしは観れたかな。今度はブレードランナーが来るし、サイバーパンク・アジアンゴシックムーブメントが盛り上がってますね。それに伴い日本文化がクールなものとして注目されてるのも嬉しい。原作へのリスペクト、日本へのリスペクト、を感じて、漫画の実写化の数少ない成功例だと思いました。
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