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死霊のはらわた IIのarchのレビュー・感想・評価

死霊のはらわた II(1987年製作の映画)
4.7
ストーリーテリングを放棄して映画的な快楽に特化させた狂気かつ痛快なホラー映画でした。前作の続編として物語は進むが、"前回までの話"の部分が異なるためリメイク的なポジションにある本作、その連続性を無視している時点でもう分かるように、ストーリーを語る気がない。マクガフィンとして"死者の書"があって始まりと終わりを設定し(ここは実はとんでもないミスリードではある)、そこから特殊メイクやVFX技術を駆使したスプラッターが怒涛に展開していく。特にカットの使い方や逆回しの使い方がもう映画的な快楽に満ちていて、テンポを以て、前作以上にパワフル、そして強引に物語を牽引していく。

主人公が乗り移られて、一旦戻ってくる展開やチェーンソーを手につける下りはダークヒーロー的な味わいがあって最高に好み。ラストの誰も予想できない(というかまさかやらないよね?)というラストは実は、主人公の愕然とした心理と観客の心理がもっとも重なる、"共感できるラスト"になっているという馬鹿馬鹿しさも含めて最高でした。
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