子持ちのカイロレン

ヒロイン失格の子持ちのカイロレンのレビュー・感想・評価

ヒロイン失格(2015年製作の映画)
4.5
 ラブコメとして何も新しい要素はないのに、恋愛という曖昧なものに人生を賭ける、桐谷美玲の真っ直ぐさに心打たれてしまった。一見華やかに見えるこの映画のヒーローとヒロインが、やりたいことが見えている周囲の人たちに対して感じる焦りと、それに対し、『自分は何も持ってない』という実感は案外切実。
 福田彩乃、濱田マリ、竹内力らの好演も楽しく、桐谷美玲はとにかく変顔の連続でCGなしの『マスク』みたい。やっぱり少女マンガの映画化はこれぐらい明るくやってほしい。青春をとっくに通り過ぎた大人が観ても、初期テイラー・スウィフトみたいな西野カナの「トリセツ」が流れる頃には、忘れてた感情のスイッチを押されてるはず。