自分を幼馴染なヒロインと信じて疑わない主人公が、急に現れた地味な女の子に幼馴染を奪われあたふたするラブコメディ。
こういうキラキラ映画の中では珍しく中弛みもないし、かなり楽しめました!
前半はコメディというかギャグ全開でキテレツな言動を繰り返す主人公と、それに振り回される周囲。
後半は打って変わって四画関係?になってかなりシリアスな展開。
最後のオチは納得はできないけど、そうなるよねという展開でした。
色々言いたいこともあるけど、こう言う映画ってツッコミどころも楽しむポイントだと思うので、ぜひそう言う感じで見てほしい。
おすすめです!
↓蛇足(この映画が好きな人は見ないでください)
面白いとは言ったけど、それと私の登場人物に対する嫌悪感は別です。
ラブコメディとは言ったけど、この映画の本質は
「馬鹿すぎるバカップルのイチャイチャに利用される可哀想すぎる周囲の人間」という本作。
他者を雑魚キャラとか通行人とか言うて馬鹿にして、自分はイケメン幼馴染(リタ)のヒロインであると信じて疑わない馬鹿女。
リタが不良にいじめられていた地味な女の子(安達さん)を助けて、その女の子と山崎賢人くんがちょっといい仲になる。
それを見て「おかっぱメガネの六角精児ちゃんにヒロインは負けたりしないの!」
という発言。
安達さんにも六角精児にも失礼だろ。
安達さんは確かに地味で容姿も可愛いとは言えないかもだけど、普通に良い子だし、不良を蹴り飛ばせるくらい強い。
自分のためではなく、他者のために力を使える優しい子なんだよ。
他人のことを雑魚とか脇役とか言ってる女よりよっぽどヒロインらしいわ。
そして安達さんとリタが付き合うことになり、安達さんのヒロイン力に負けて自分はヒロイン失格だと痛感したところで物語が始まる。
そこからヒロインに返り咲くためにとった行動が
・小さい頃のアルバムを見せつけて幼馴染アピール
・リタのジャージを見せつける
など意味の分からないマウント行為。
作中でも言われているように普通に性格が悪い。
ついでにクラスメイトの安達さんへの陰口に便乗するとか、マジでヒロイン失格である。
そして、イケメン幼馴染のリタも問題ある。
よく考えもせずに安達さんと付き合ってる時点で論外だが、主人公がイケメン王子様の弘光くんにちょっと靡いた瞬間
嫉妬して、主人公と同じような幼馴染アピールを始める。
今の彼女をほっといて。
もうお前ら2人で最初から付き合っとけやゴミが。
安達さんの気持ち考えろや。
中盤の夏休みに、押してダメなら引いてみろ作戦でリタから距離を置く主人公。
その間に間男の坂口健太郎と急接近。
この坂口健太郎くん演じる弘光くんが凄まじく魅力的なキャラである。
こういう作品にありがちな、ひたすら優しい男ってわけでもなく、感情に振り回される恋愛とか馬鹿らしいとか考えるタイプ。
かなり冷めてる男なんだよな。
それゆえに色んな人間の心の機微にかなり敏感。
最初は面白い女でちょっかいかけてたのに、思いっきり感情に振り回されて行動する主人公に惹かれていくのは結構面白い。
そこからリタが主人公を好きなことを見透かした上でしっかり忠告してくれる。
あまりにも人間が出来すぎている。
そして、中盤のお祭りデートだが、リタは彼女がいるうえで主人公とデートしてるあたりクソすぎる。
結局キープしたいたけやんけ。
そしてなぜが勝手に傷ついた主人公を慰めるために、色々気を遣ったりして、挙げ句の果てにキスをする。
これ他に彼女がいる上でやってるからね。
いないならいいけど、いる上で「俺がしたいからした」とかクソすぎないか?
安達さんかわいそすぎないか?
で、彼女がいると分かっていて、今しかチャンスがないと猛アタックする主人公もどうなのよ。
お前らマジでふざけんな。
モヤモヤする。
途中のヒロインの友人が言うセリフ
「ダセェ真似だけはすんなよ。ぶっ殺したくなるから」
いや、マジでこれに尽きる。
で、安達さんは主人公に勝てないと悟る。
それでも気丈に振る舞う安達さん。
泣ける...。
そこに来る弘光くん!
「もう偽善者やめたら?」カッコ良すぎるだろ。
安達さんにもちゃんとフォローしてくれる弘光くんマジでイケメンやんけ!
で、最後の修学旅行のシーン。
リタが自分の気持ちに気付き、安達さんに別れを告げるところなんだけど、これ100%リタが悪いからな?
地味な女の子を助けて、よく考えもせず付き合って希望を見せて、結局幼馴染のことが好きで別れを告げようとする。
マジで見てられない。
安達さんは、リタが自分のことを好きじゃないことが分かってるけど、付き合ってほしいから仮病をつかってまで繋ぎ止めようとする。
最後はリタが主人公への気持ちと向き合えるように、嫌われ役を演じる。
リタ「俺のせいだ」
そうだよ!お前のせいだよ!
ふざけんなクソ野郎。
お前のせいで、安達さんは死ぬほど辛い目にあってんねんぞ。
マジでいい加減にしてくれ。
一方弘光くんも、主人公が自分のことを好きじゃないことに気づいてる。
だからしっかり背中を押してくれる。
いつも負ける男役とか負けヒロインに同情してしまうけど、ここまで負け役に同情するとは思わなかったし、主人公側に嫌悪感を抱くとは思わなかった。
色々あったから互いに向き合えたという着地ではあるけど、ここまで周りの人間の心を引っ掻き回す必要あったか?
周りの人間はお前らの引き立て役じゃねぇぞ。
だから最初の「脇役」「雑魚キャラ」っていう言動がムカつくねん。
周りの人間を利用して、自分たちの恋愛を盛り上げてるようにしか見えない。
一途に自分のために献身的に尽くしてくれた人間に不誠実な行動をとっておきながら、自分は好きな人に行くよっていうのがマジで気に入らない。
劇中で「最低なことしてごめん」
と言わせてるからまだマシだけど、それでも無理だから。
最後の負け役とも言える安達さんと弘光くんの泣くところは私も泣きそうでした。
あまりにも2人が可哀想すぎて。
ここまでグチャグチャにこき下ろしてるけど、青春映画としては本当に飽きさせない展開の連続で大変楽しめました。
恋愛要素についても、高校生ならではの感情で突っ走ったり、よく考えもせず誰かと付き合ったりという行動が、結果的に誰かを深く傷つけてしまうかもしれないということを上手く描写していたと受け取ることが出来ます。