ジョン

快楽の漸進的横滑りのジョンのレビュー・感想・評価

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)
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刺激的なタイトルと上映禁止になったという事実に惹かれて視聴。理解が追いつかないのはもちろんだが、直接的なスプラッター表現は無く血は年代を考慮しても作り物感が否めないので上映禁止になるほどかなと感じた。
フランス人のどこをこの作品は刺激したのか、現代に生きる日本人の自分にはよくわからない。
主役の女性であるアリスは性的異常者で精神異常者なので、陪審員と話すシーンは事実か妄想かわからない意味不明な映像が流れる。殺した同居人ノラに絵を描いたり、縛ったりするのだが、一貫して人形のように瞬きをせずじっと固まっているだけ。アリスが売春をするシーンでもアリスが同じように人形のようになっていて、また別に人形も出てくる。人は一切動かず意思を出さない一方で人形は血が流れる。生きているものを死んでるように映し、死んでいるものを生きているように映す。監督のやりたいことを突き詰めた芸術を少しだけ受け取ることができたかもしれない。
ラスト3分はちゃんと面白かった。最初と最後が綺麗に繋がった。
ジョン

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