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スター・ウォーズ/最後のジェダイのcatmanのレビュー・感想・評価

5.0

12/17さらに追記

小学一年生の甥っ子と一緒に二人で吹き替え版を観て来ました。鑑賞前ロビーでストームトルーパーのコスプレをしたお兄さん達と記念撮影ができるサービスを実施中で、ブラスターまで持たせてもらって写真に収まりご満悦。They were a little short for storm troopers. 物語はおそらく半分も理解していないでしょうけど、劇場でのSW体験は彼の中で深く思い出に残ると思いたい。鑑賞後はBB8の頭部の形をしたポップコーンの容器を頭に乗せてはしゃいでいたのは笑えた。どこが良かったか聞くと、「ルークがカイロレンにライトセイバーでやられても死なないのすげぇ!あれヤバくね?」ですと笑

吹き替えは、覚悟はしていたものの、かなり残念。オリジナルの俳優と声質が違うのは眼をつぶるとしても、翻訳がダメ。演出がダメ。ルークを老人の様に演じさせたらアカン。一番のフラストレーションはレイの棒読みで、キャスティングした人間をフォースチョークで思い切り懲らしめてやりたい。それから、案の定150分は長過ぎて途中トイレに立つちびっこが続出。スターウォーズは少年少女でも十分楽しめる映画であって欲しいと思う。

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See you around, kid!
The Return Of Luke Skywalker.

案の定、1日経って色々言いたいこと出て来たので追記。ネタバレ全開です。

尺はやっぱり長過ぎで、スターウォーズは120分程度に収めて欲しい。これって重要。キッズに150分は長過ぎる。隣のお姉さんも終盤でトイレ中座してたよ。天童よしみとベニチオのくだりはカットしても良かったんじゃないかと思ったり。フィンとポーのキャラクター描写が前作に比べ浅くなってしまったのも残念。一介のトルーパーであり脱走兵に過ぎないフィンが、どうしてこれほどまでに強い意志と高い能力を持っているのか、その疑問をスルーするのはなかなか難しく、どうしても気になってしまう。隠されたストーリーがあるのならその伏線を自分が見逃しているのか。一番の不満はヴィランの描き方で、スノークとカイロレンは、その造形も設定もパルパティーンとダースベイダーの魅力には比べるべくもない。そもそも何故こいつらが?どうやって暗黒面に?という物語の土台について説明が無いのは看過できない問題。あと単純にカイロ・レンのマスクとコスチュームがイケてない。ファズマは結局あれでおしまいなんだろうか?活躍を期待していただけに、ボバがサルラックに飲み込まれた時以来のガッカリ感。ハンが亡くなった直後だと言うのにチューイの見せ場が無いとか、アクバー提督の扱いの酷さとか、ペンギンもどきのあの小動物の居心地の悪さとか。ハヤオっぽいなぁと感じたんだけどスターウォーズにジブリの影響なんて自分には悪夢でしかない。レイアが放り出された宇宙空間から生還したのは、あれはどう受け止めたら良いんだろ。フォース?だがしかしここで正面から捉えたレイアの表情は素晴らしく美しかった。

と、色々な不満はあるものの、それらを補って余りあるSW世界ならではの興奮体験があったし、この画を撮りたかったんだと言う作り手の熱い気持ちも見えたし、それより何よりも、私にとってはルーク=マーク・ハミルがエピソードIV以来、最もフィーチャーされた作品であることに感無量。中坊の頃に映画館で新たなる希望を観てからシリーズに取り憑かれた私にとって、ルーク・スカイウォーカーが永遠の主人公なのだなぁと改めて感じさせられた。銀河の辺境タトゥイーンで宇宙に憧れるイノセントなkidだったのに、運命とはいえベイダーに俺がお前の父親だとコクられてからすっかり根暗な悩める青年になってしまったルーク。スターウォーズ以降のハミルの俳優人生を振り返るとハリソンとのあまりの差の開き方に相当な辛酸をなめたであろう事は想像に難くない。よって本作は『The Return of Luke Skywalker』とも言えるわけで、過去の伝説のジェダイマスターと異なり、悪戯っぽいジョークをシレっと織り交ぜつつ、ESBを思わせる姿のヨーダ(最高!)との絡みではかつての彼のチャームポイントであった未熟者らしさを醸し出しながら、しかしラストでは旧世代のラストジェダイとして威厳たっぷりに若々しくライトセイバーを構えながら力強く輝きを放つその姿に私の涙腺は決壊してしまう。See you around kid!! そしてルークとレイアの別離はハミルとフィッシャーのそれに重なり…

けどライトセイバーのポイ捨ては無いよなぁ…
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