和田

スター・ウォーズ/最後のジェダイの和田のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【解説】
本作は「ヒーローとは伝説の中の人物でなく、今は力の小さい個人個人でもなれる存在である」ことを全体を通して表現している
これは、ある意味で過去のスターウォーズ作品の自己否定にも見える

まず、本作は「伝説のヒーロー」をこれでもかと否定している
伝説の戦士であるフィンは反乱軍の危機を差し置いて逃亡を試みるし、伝説のジェダイであるルークは心の弱さからカイロレンを生み出してしまった
伝説の戦士は神格化されすぎてしまいがちだが、このように案外ちっぽけな存在であることを示している

また、自らの犠牲の上で活躍する「死のヒーロー」も否定している
冒頭の爆撃隊、終盤のフィンの特攻などのシーンは、感動を生みやすいため映画やプロパガンダで頻繁に使われるが、現実には残されて悲しむ人がいるし、反乱軍の戦力を確保するためにも「生き延びてこそ」だとしている

そして誰もがヒーローになれることはルークとレイと奴隷の少年が教えてくれる。
ルークいわく、フォースはジェダイのものではなく万物に宿っている。ジェダイだけが使えるなどという考えはおごりである、と。
また、主役のレイは何も特別な血縁を持っていないにも係わらずにあれだけの力を持てた。
そして本作で最も印象的であった最後の奴隷少年のシーン
彼は間違いなくただの奴隷の少年なのだが、ほうきをフォースで引き寄せたようにみえるし、ほうきを持った影はライトセーバーを持つ姿にも見える
そして指には反乱軍の指輪。これは彼がすでに戦士であること、大きな力を持てる可能性を持つことを表していると思う(将来スピンオフで彼に滅茶苦茶な設定が後付けされませんように…)

これらを併せて「今はちいさな力でも、特別な育ちでなくても、命の犠牲を払わずにヒーローになれる可能性みんな持っている」ことを全編通して表現している作品に見えました

【余談】
911以降、一市民の持つ力を大きく取り上げた作品はちょくちょく見られたが(例:ダークナイト)「死のヒーロー」を否定する作品は珍しいように思う。「ダークナイトライジング」は思いっきり「死のヒーロー」を生む方向の終わり方だったし…

【感想、ツッコミ】
・個人的にはスターウォーズには上記のようなテーマやメッセージは求めていない。神話っぽさが好きだったので少しイマイチに感じた
・レンとレイの共闘は熱い
・ギャクキャラを味方にするとうざい(3po,ジャージャー)ので敵にやらせたのはいい判断
・コードブレーカーはいいキャラだったのでカルリジアン的な立場で再登場することを願う
・マズカナタかっこいい
・次作までの間で新しいライトセーバー作るのかな?
・スノークの生い立ちはスピンオフでやるのかな…
・ローズがフィンにつっこむシーン、普通あれのせいでフィン死ぬだろ…
・兵士のデザインがイマイチ
和田

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