藤川

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けの藤川のレビュー・感想・評価

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プリクエル直撃世代だからep3で見事なほど美しく物語の輪が閉じられたことに感動して劇場で本当に心から泣いて、だから新新三部作の製作がアナウンスされたときはこれまでの物語を汚されるんじゃないかって不安に思ったし、でもあんなにも美しく終幕を迎えた物語をなお再開させて続けさせるということは、それに足る(物語としての)必然性を用意してるんだよね?という期待もあったんだけど、その期待はやっぱりというか裏切られて不安だけが的中した。
ep6でアナキンとルークが成し遂げたことがいかに偉大で重要なことだったかをルーカスは6部作で滔々と説明してきて、ずっとそれを真剣に見てきた観客ほど、"新新三部作です!"とか言われたことに戸惑ったし、今までのことを馬鹿にされた気になったと思う。そしてそのことへのフォローとか説明とかなしに、思いつきで作った"設定"とか、後出しで継ぎ足されたような"伏線回収"とかを披露されて「君たちこういうの好きでしょ?笑」みたいな顔をされているようで、本当にこいつらは無神経だと思った。
あと単に映画としてつまらないです。脚本も、脚本の都合で人物たちを右往左往させてるだけ、波風を立たせようとしないと立たない話なら無理にしなくていいよって感じでした。敵の人物像も「いつまでそういうのやってんの」って呆れるような時代錯誤な感じ。美術も旧作を撫でてるだけで、映画史に残るような目新しいルックとかギミックは皆無。あと普通に死を美化したり、物語を前に進めるために死人を能動的に動かせる、そういう倫理観にずっとドン引きしてました。
この三部作は"商品"であって"作品"ではないです。すべてが下品で無神経でした。
藤川

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