千頭利地蔵

ぼくとアールと彼女のさよならの千頭利地蔵のレビュー・感想・評価

5.0
主人公もレイチェルも互いに全くロマンス的引力を持ってないのが良い。

他人に心を深入りして傷付くのを避けるために極力他人との接触から逃げてきたボンクラが、意図しない単純接触により、初めて他人に向き合い、また自分の自意識と向き合うことになる話、好きにならざるを得ない…。 

ヴォネガットの「作品はすべて誰か1人へ向けて書かれるべき」という言葉を思い出す