とんこつたろう

国際市場で逢いましょうのとんこつたろうのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
3.8
サスペンスにしろ感動大作にしろ、韓国映画には観客を圧倒する強いエネルギーが溢れていて、常に感心させられる。
ギャグセンスに関しては頂けない部分が多いが、本作もまた涙腺を緩ませるノウハウを知り尽くした脚本に水分を絞り取られました。
本作をザッと説明してしまうと、かつての韓国史を振り返った『三丁目の夕日』的な立ち位置の作品なんですが、それとは一線を画す点を言うならば"歴史の暗部"とされるような国の闇まで描いていること。
日本映画ならば"昔は良かった"の一言に尽くした描き方で終わっていたはず。お涙頂戴の作品には終わらせまいとする、歴史に対する真摯な姿勢は好印象。
そしてこういう映画もヒットする韓国の映画事情が本当に羨ましく思う。三丁目の夕日にはない人間の泥臭さ、あれこそ戦後の世界なんだろうなと、歴史考証や予算の違う画作りの違いにまで打ちのめされました。