いち麦

美女と野獣のいち麦のレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
5.0
IMAX3D字幕。アニメ版ファンの期待を裏切らぬ、完成度高い実写版リメイクの傑作。名曲ミュージカルの味わいはそのままに、きめ細かな心情描写が補われ驚きと魅惑の演出、心動かす新曲が加わった。一方で意外にもディズニーが原作に戻し近づけた部分も。さらに映像の圧倒的な精緻さと美しさ。特に人間味が見え隠れするビーストの表情やルミエールの質感など只々見事。曲が、場面が、頭に蘇るだけでもう堪えられない。

吹替版でリピート鑑賞。歌唱力のある日本のミュージカル俳優や歌手が歌い上げる日本語楽曲の贅沢。藤井隆のル・フウが一番嵌っていた。松浦氏の字幕と比べ直感的に伝わる台詞もある一方ギクシャクした台詞が気になるところも。
ミーハーな処のない、芯のあるキャラクターは正にE.ワトソンにぴったりだとつくづく思った。昆 夏美はとても美声で卒はない。だがちょっとベルのエキセントリックさは足りない。それに台詞の言い回しから伝わる、英国俳優でメインを固めた味わいは、字幕版ならでは。

3回目の鑑賞はドルビー・アトモス版で。中音量のフルオーケストラ曲では前面からの音場の分離が特に素晴らしく楽曲を味わうには一番だった。豪華ミュージカルでは環境音のリアルさではなく生オーケストラに近い音場が魅力か。
いち麦

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