すず

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のすずのレビュー・感想・評価

4.0
違った視点から見る戦争。

戦争相手であるというだけでその国の人は全員敵。日本人に対する蔑称"ジャップ"。移民であるハシモトもそう呼ばれ、何かを買おうとするとジャップは失せろと門前払い。主人公ペッパー少年も敵意を向けます。戦争とは恐いものですね。個を見なくなる。そこに住んでいた人ですら、その日を境に敵。例え自分の知らない人でも。しかし、ペッパー少年は戦争に行ってしまったお父さんを奪還すべく司祭から貰ったリストをやり遂げようとします。そのリストには"ハシモトに親切を"と書かれているではありませんか。

戦地に行く当事者の映画は良くあるけど、当事国ではあるものの直接戦争に関わっていない者同士による視点、また子供の視点から見た戦争というのは考えさせられるし、複雑な気持ちでした。中でも、本作は日本が当事国になっているため、ペッパー少年が喜ぶある出来事が受け入れられませんでした。

父の帰還を願うペッパー少年のひたむきさがいつしか大きなこととなり、ハシモトとの友情、2度のラストに涙が止まらない。

日本人に観て欲しいと思った。
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