ダニー・ボイルは苦手な監督なんだけどこれは面白かった。たぶんアーロン・ソーキンの脚本が良いのだと思う。この人は『ソーソャル・ネットワーク』でもそうだったけど、常識からは逸脱した一歩間違えれば単なるクソ野郎を魅力的に見せることがうまい。
ジョブズについてあまり詳しくない自分でも、なんの話をしてるのかよくわからない箇所がいくつかあったにもかかわらず面白く観られた。ある程度の知識は観客にあるという前提で作ってることもあるのだろうけど、単純に会話劇として魅力があるからだろう。こんな地味な話を映画としてうまく構築したソーキンのストーリーテリングの手腕にはうならずにいられない。
それにしてもジョブズの人たらしぶりもすごいですね。なんだかんだでうまく他人を丸め込んでしまう。最後の娘とのシーンも一見感動的に見えるけど、ちょっと怖い。