加藤彰は時代劇でも油断できない。
歌舞伎を題材にしながら描かれる世界はさながらノワール。圧倒的な「おんな」を発散する続圭子の肉体が、観る者を幻惑する。

脚本は木俣暁喬（和泉聖治の父ちゃん）。加藤作品らしいどこか惚けたノリは、途中で実際に舞台で役者に芝居をさせてみる辺り、好演の榎木兵衛のキャラに見る事ができる。
山科ゆりはやはり美しいが、今回はもう続圭子が圧勝。良いショットが幾つもある。テイストとしては「愛に濡れたわたし」か。

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木夏衛名義の榎木さんがほっぺたに蝙蝠刺青でメイン級に出突っ張り。日々なにかしらの作品でみている身としては感激。与三郎の五條さんに若旦那のハマタツに男優陣が輝いてる。籠の鳥に口から水吹きかけるゆりっぺは囚われて塩水責めの舌噛み切り流血。ぶ厚いファンクにコメディタッチ、かと思えばカナカナカナ…ひぐらしの鳴き声が胸を締め付ける加藤彰の演出。真っ赤に艶めく続圭子の唇と舌が織り目すらもエロい蚊帳を舐め回す場面も良い。馬上合体の逃避行エンディング👏

バーテンから若旦那に…浜口さん良かったね。改めてなんてイイ顔してるんだ兵衛さん、赤フンの兵衛尻何度もありがとうございます。五條さんも傷が似合うし安定の皆さん。歌舞いてんね〜と思ったら歌舞伎なのか。よくわかってませんが、経糸横糸くっきり見える蚊帳越しの続さんのシーン美し。蚊帳噛んでカナカナカナ…いま夏の夜としか思えなかった素晴らしい録音。鳥に毒霧ゆりっぺ。塩水責めツラい。木更津の潮臭い女。久々に加藤彰の血を浴びて、乗り物ファック〆今回は馬で。崖から落ちたり燃えたりせず良かったね。