「暗くなるまで待って」に投稿された感想・評価

真っ暗闇においては晴眼者より盲人が有利。
「ドント・ブリーズ」を見て、昔見たこの映画を思い出した。
舞台のような映画
遠足が雨やった日にクラスで見たやつ
 夫のサムが知らない女性から受け取った人形の中には実はヘロインが入っていて・・・それを取り返すために組織の男たちがサムの家に忍び込むが見つからず、サムの妻スージーが盲目と知り男たちは一芝居打つことに・・・

 レトロなファッションにインテリア、過剰すぎる不穏な音楽と控えめな盲目の演技が絶品の上品で華麗なオードリー・ヘプバーン。盲目であることを気づかせるような演出はなく、自然に溶け込んでおり、過剰の暴力的なシーンにも発展しない。物語が展開していくにつれ徐々に盲目であることが活きてき、彼女の賢さと見えないことを利用する男たちの心情が交差し、緊迫感のあるサスペンスはやがて複雑化していき、観客の心理を見事に先読みし、そこに合わせてくる演出が見事である。驚きどころがしっかり与えられていながら、全く嫌味を感じさせない。

 彼女が取った防御策は盲目だからこそできたこと。男たちが利用したことを今度はスージーが利用する。まだ見えないことにそこまで慣れていない彼女を文句を言いながらも手助けしてくれてる近所の少女が疑惑を確信に変え、暗闇の中での対決は”灯り”がキーになり、見える見えないの緊迫感が見事にサスペンスを盛り立て、集中力が切れない程よい緊張感で幕を閉じていく。濃厚に展開していくストーリーの中でもやはりオードリーの気品が際立っており、過剰過ぎない盲目の演技は非常に好感が持てる。小物使いもユニークでしっかり抜きの部分もある。
最初から最後までハラハラし通し。眼鏡っ娘グローリアが来てくれるとこちらまでホッとする。直訳といえばそうなのだが邦題がよい。
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