ナオミ・ワッツ目当てで観てみたところ、アメリカ人大学教授が自殺に選んだ富士の樹海で偶然出逢った同じ目的の日本人男性と共に樹海から脱出しようとするサバイバル映画、と思いきや…
よく練られた感動のヒューマンドラマでした。
【以下、ネタバレ含みます】
夫婦の間柄は人それぞれ。
たとえ諍いがあろうとも重病に陥った奥さんへの愛しい想いや、不慮としか言いようのない事故でその存在が消えた後の虚無感は深く理解出来る。
樹海で出逢った謎の男は妻の名を黄色、娘の名を冬と教えてくれた。
そんな日本人の名前無いよなあと思っていたら終盤でその伏線が見事に回収される。
しかも妻の乗車する救急車が不慮の交通事故に遭う寸前に、主人公が後続車として妻を元気づけるために携帯で会話していた内容が。
案外長年連れ添った奥さんの好きな色や好きな季節とかを知らないものだけど、樹海の男が告げた家族の名前がそれを教えてくれていた事に気付く。
謎の男、実在しない事が後で判明するんだが、それも不思議な話です。
ファンタジーとも言える。
それはそれは感動のフィナーレでした。
良い作品だったなあ。