【知と美が撹拌される稀有な体験②】
《マヤ・デレン全映画作品》短編7本の上映にて、見ました。
彼女、ウクライナのキーフ生まれだったのですね。
『陸地にて』
初見ではこれに一番惹かれました。人魚になった(笑)マヤのおはなし。
打ちあげられた浜辺から、人間社会に忍び込んで追ったもの。歓びと執着を抱えて海へ戻る? それとも人間界へ?
…みたいな骨格かと思いましたが、その意味づけに拘るとつまらなくなる気が。飛躍が素朴で面白い作品。きっと、どこでもドアを使って撮ったのでしょう。ミニマルな神話といったふうで、遠く思い出せない、何かの原型を想起させます。
本作のマヤは仄かにエロティック。四つん這いだし。好きなんです四つん這い。チェスに拘っているけど、マルセル・デュシャンと知り合ったのはこの頃なのか?
<2010.1.21記>