MasaichiYaguchi

ギャラクシー街道のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ギャラクシー街道(2015年製作の映画)
2.3
舞台挨拶が無いとはいえ、公開初日初回の大きなシアターは、本作のサンドサンドバーガー・コスモ店同様に客席が閑散としていて持て余し気味だ。
宇宙空間に浮かぶハンバーガーショップを舞台に、香取慎吾さん、綾瀬はるかさん、大竹しのぶさん、遠藤憲一さん、優香さん、段田安則さん、小栗旬さん、西田敏行さん、山本耕史さん、石丸幹二さん、梶原善さん、西川貴教さん等の豪華キャストで繰り広げられるワンシチュエーションのSFコメディは、「宇宙家族ロビンソン」や「宇宙家族ジェットソン」を彷彿させるが、随所で繰り出すギャグやコントが悉く空を切り、疎らな客席を益々寒々しいものにしていく。
本作の脚本と監督を担当し、来年の大河ドラマ「真田丸」が控えていて勢いのある三谷幸喜さんだが、この映画で一体何をしたかったのだろうか?
美術の種田陽平さんによる1960年代のアメリカンダイナー風の店内、そこにさり気なく置かれた様々な小物にまで拘りが感じられる一種の“劇空間”で様々な“愛の形”が描き出されているのは分かるが、どれもこれもお店の外に広がる書割の宇宙のように実態が無くて空疎だ。
恐らく狙ってやったと思うが、実写とカートゥーン風アニメとの合成も煩わしさと違和感しか覚えない。
この作品は内容をもっと整理して、舞台で演劇としてやった方が面白いものになるような気がする。