神山

テラフォーマーズの神山のネタバレレビュー・内容・結末

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

三池崇史監督の映画『テラフォーマーズ』鑑賞

なぜか自分の席にJK二人組が座っていて、仕方なくその隣にそーっと座る羽目になったのだが、このJKがいちゴキブリが出てくると驚いたりアース製薬で笑ったりしてるのを見て反応を知れたのでまあ良し。・・・むしろ良し。
あとこのJKが白鳥玲子とかの邦画でいちいちきゃあきゃあ行ってたのでその後に始まったスーサイドスクワットの予告の反応が気になったものの、おもしろそーとつぶやいていたので良し。・・・むしろ良し。

さて、テラホはもともと原作の1巻だけ読んだものの、皆川亮二の『ARMS』(名作)と真鍋譲二の『ジャンク・パーティ』(打ち切り、そしてたぶん絶版)を足して割ったような内容だな位な感じだったので熱心なファンというわけでもない。
なので登場人物が日本人キャストになってたりするのは別に気にならない。

冒頭のブレードランナー的な近未来東京は原作より良かった。むしろ火星行かないでそこだけでやってくれてもよかった。

火星についてからも安っぽいコスプレとCGは仕方ないものの、ゴキブリの造形はなかなかだったと思う、しかもアース製薬が協賛してるおかげで本物の殺虫剤のCMにもテラホのゴキブリが出てて「じょうじ、備えよ」とか言ってるのを見た。ナイスだ。
そして何よりゴキブリと昆虫人間の体液がちゃんと昆虫とゴキブリっぽい粘液質なのが何より良い。ナイスだ。

あと池田秀一のナレーションで変身した昆虫の特徴を教えてくれる。明らかにタイムボカンっぽい感じが良い。「説明しよう!」とまでは言わないのだが。ナイスだ。

バグズ1号に辿り着くまでに原作にはない津波がやってくるのだが、隣のJKを驚かせていたので良い演出だったと思う。ナイスだ。

バグズ1号の所で無駄死にするヤクザ二人組も、原作にはない入れ墨と、原作にはない無意味な昆虫設定が程よく笑えてよい。ナイスだ。

後半、黒幕の方の人間関係が原作より単純になっていて、原作だと卵を破壊する派の中に持ち帰る派がいて真の黒幕というややこしい感じになっているのが、映画だとキャストを日本人にしたこともあって日本が他の国を出し抜くために卵をもって帰るという設定に変更になってた。

つまり『エイリアン1』でエイリアンの卵を持ち帰ろうとしたウェイランド=ユタニ社そのまんまなのだが、原作より分かり易くて良い。ナイスだ。

原作でゴキブリの卵が孵化して出てきたゴキブリが進化したことの説明が特になかったが、映画ではちゃんと洗脳して産ませた卵だから進化したというロジックが入ってきたのも良い。ナイスだ。

更に原作では主人公の恋人ナナオが糸を出す意味がないのだが、映画ではモスラ化しててちゃんと意味があって良い。ナイスだ。

さらにバッタが変身しすぎて元に戻れなくなるとか仮面ライダーの出来損ない感が良い(ここは原作通り)。ナイスだ。

なにはともあれ観てみたらやっぱり三池崇史映画って感じだったのが良い。
ぜひハリウッドリメイクの際は話はこのままで映像だけ豪華にして作ってほしい。
神山

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