いがらっしー

The ショートフィルムズ/みんな、はじめはコドモだったのいがらっしーのレビュー・感想・評価

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これらは、子ども達の将来に向けて、明るい未来をえがいたオムニバス作品らしいが、それにしてもどれもこれも、表現の違いはあるものの、重たいテーマを扱った内容で、子ども達にどこまで理解出来るのかな?と心配にもなる。
しかし、確かに監督も脚本も凄い方々ばかりだから、期待して観たが
かなり良い作品ばかりで大満足。

『展望台』
(阪本順治監督&脚本)
自殺しようとしていた男が、深夜の大阪の通天閣で、親に捨てられた少年と出会う。「海は泣いてもいいところやで」と慰めたつもりが、帰り際で救いの言葉をかけられる。
暗い話のはずが、何故かほのぼの明るい。

『TO THE FUTURE』
(井筒和幸監督&羽原大介、吉田康弘脚本)
子ども達を虐待している先生が酷いなあ…と思って観てたら、いびられていたのは先生だった。
残酷だけど、みんな誰かをいじめて生きているのかもしれない。
光石研さんの演技が面白すぎて、笑い転げてしまった。
助監督に武正晴監督、監督助手に滝本憲吾監督、衣装に星野和美さんが入っているのをみつけて、ほのぼのした。今は無き、シネカノン制作。

『イエスタデイ・ワンスモア』
(大森一樹監督&脚本)
玉手箱で大人になり、親孝行をするお話。
「人は自分が生きた年齢をもう一度生きたいとは思わない」
名言だな。

『タガタメ』
(李相日監督&脚本)
妻に先立たれて、余命宣告された男には、知的障害の息子がいて、その子の将来を心配する。
親の愛情と、人の生きていく価値について考えさせられる…

『ダイコン』
(崔洋一監督&脚本)
年取った両親に留学中の息子のいる娘がやってきての普通の日常生活。
社会問題や家族間の問題を幾つも会話させながら、親子間の愛をえがいた作品。


結局、この5つのオムニバス作品は、
難しい問題を提示しながらも、それでもちゃんと生きていくだけの意味が未来にはあるということをみせてくれているんだと思った。
心配しなくても良いよって。
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