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太陽のkoheiのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
3.7
これは良い所も悪い所も両方あって
評価が難しい。
でも観終わった後にはモヤモヤよりも満足感の方が大きかった。

この独特の世界観にのめり込めるかどうかが鍵になってくると思うけど正直最初は無理だと思った。でも不思議なことに徐々に引き込まれていく。
「外の世界を見たい」という思いと、
「太陽」が関わってくるという点で、大好きな漫画である『テガミバチ』を連想してしまった。要するに好きな世界観だったわけです。

内容に関してまず悪い点から言うと、
とにかく感情表現が全部叫びである点、
矛盾がけっこうある点
例えばいかにも体調悪そうなお母さんを気にもかけず、死んでから泣きわめくというようなシーン。
よく言われてるけど邦画特有の、叫んで泣きわめいて物投げて〜
みたいな演出、ほんとやめてほしいなと心底思った。
あと根本的な部分だけど全体的に説明不足感は否めないなと思いました。主人公のバックグラウンドが全く伝わってこなくて想像する余地さえ与えてくれなかった。

良かった所は、世界観と友情の描写。
太陽がない夜の場面がほとんどで、暗くて見辛いんだけど、太陽の重要さってのをそれによって伝えているのかなと感じた。実際感じることができた。
そして最後の場面。明らかに内面から外見まで変わり果てたヒロインを見て何も言葉を発しない、視聴者に委ねるような演出には感心した。上映後モヤモヤしたという声を漏らす人も多かったけど自分的には好み。こういう演出が出来るなら神木くんに叫ばせまくる演出はやめて欲しかった。
世界観は良かったので、とにかく惜しかったなという印象です。
よく考えると、ん?って思うけど、人間味のあるノクスの青年との友情、旅に出るラストは良かった。

映画館を出たあと無性に太陽が見たくなったけど曇天でがっかり。
なんでやねん!!!笑
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