りっく

太陽のりっくのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
4.0
ディストピアSFを日本で堂々と実写で描いた本作は、日本の地方と都会の格差を連想させるような管理社会の構造を寓話として描きながらも、その行く末を神木隆之介と門脇麦に託すという開けた結末を迎える。

その設定は例えば二つの階層を隔てる門番があまりにも弱い青年だけが担当しており監視カメラもない、太陽の光を浴びると致命傷を負う種族が、発達した社会に暮らしながらもその弱点を克服する発明品をひとつも開発していない等、粗を探せばかなり見当たる。

だが、あっちの世界に憧れる神木隆之介と門番の交流と決断、あっちの世界に行ってしまった門脇麦の人格が変わってしまったことを一目で表現してしまう演技等、エモーショナルな見所がたっぷり。2つの種族が外見は同じ人間なのに、生理的な部分で絶対的に相いれないであろうことを、演出できちんと伝え切れている点も好感が待てる。
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