にしくん

ヒトラー暗殺、13分の誤算のにしくんのレビュー・感想・評価

ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015年製作の映画)
3.5
ヒトラーを単独で暗殺しようとしたゲオルク・エルザ-を描いた作品。英雄になれたかもしれない男は、13分の誤算で暗殺者となってしまう。
ユダヤ人の友を持ち、平穏に暮らしていた彼に迫るナチスの足音。政権が変わり、自由を奪われた男は、単独でヒトラー暗殺という大きな計画を企てる。その英雄的行為と同時に、情報を揉み消し、改竄するナチスの恐ろしき戦略に恐怖を覚える。
エルザ-は英雄である一方で、人間として完璧かというとそうではなく、普通に不倫をしてしまう辺りの、自分勝手さも感じさせる。
自国の歴史、その暗部を描きつつ、そこに生きる人間の想いに光を当てる。こういう映画が作れるドイツの映画文化はやはり素晴らしいと改めて実感。
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