音楽が大好きなどこにでもいるような至って普通の青年ゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル)が、ヒトラー暗殺を企てるも13分の誤算により暗殺は失敗に終わるという、実話に基づいた作品。
話は事の結末から始まり、彼の半生をなぞりながら計画実行までの行動が描かれていく。
事実、失敗に終わっているから“もし”はないのだけれど、もし成功していたら歴史はどう動いていたのだろうか─。
単独で暗殺を決行するゲオルクの強い信念と行動力には感嘆するばかりである。
ナチスと言ったらまず思い浮かぶのがユダヤ人の迫害。今作では女性自身はユダヤ人ではないが、ユダヤ人の男性と付き合っているという理由で、広場で罵倒の言葉が記されたプラカードを首から掛けさせられ見せ物とされていた。
エゴイスト共の下らない思想のせいで迫害され実に不憫だ。
ネーベもそうであったように、表向きはナチスであっても、心の内では反ナチスという人も一定数いたのではないかと。
ゲオルクは暗殺計画について事実を述べているのに、信用されず拷問されるのはみていてとても痛々しかった…。。