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黄金のアデーレ 名画の帰還のmhのレビュー・感想・評価

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ナチに奪われた名画を、現代になって取り戻す法廷もの。
WW2当時のオーストリアは親ナチ国家。ナチ党員がごろごろいるという知識がないと、誤解したまま最後までいってしまいそうな内容。
(「セブンイヤーズインチベット」の登山家・オーストリア人もナチ党だったね)
なので、ナチからというよりか、オーストリアに奪われたといってもいいすぎではない。
国営美術館は不当に取得した絵画で利益を得ていたので、持ち主の元に戻るのは当然でハッピーエンド。
ヘレンミレンは魅力的だし、コメディリリーフがふんだんなシナリオも大変面白いんだけど、痴話喧嘩の片方の言い分だけを聞かれされた感じでいまひとつすっきりしない。
ググると、モデルと画家の関係、途方もない売却額、映画の出資者とか、オーストリア側の言い分などいろいろわかってくる。
法律的には正しいかもしれないけど道義的にはどうなんだろうという名画奪還。この映画はその正当化・悪いイメージ払拭のために作られたという側面もあるのだった。
そういった事情含めて見るとめちゃくちゃ楽しめる。
金目当てだった弁護士が改心するという身もふたもないプロットがいいよね。改心はしたけど金目当てをやめるとはいってないみたいな。現実におけるキーパーソンもこの弁護士っぽい。
アフリカから略奪してきたものが多い大英博物館とか、そのあたりの話題はなかったな。
ナチひどい!正義は勝つ!で止まってしまうひとも多いだろう(し、それでもいいように作られてる)から、ちょっと怖いと思った。
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