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教授のおかしな妄想殺人のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

退屈と好奇心、平凡な日常と自分が特別だと思いこむこと。これらは区分けすれば、言わば「厨二病」だ。

男は哲学を教えたり、詩を書いたりしながら自分の人生に無意味さを感じている。ボランティアも世界を変える取り組みも無意味で正義感だけの頭でっかちな活動家だ。そういえば日本でもそういう連中が沖縄に大量にいる。

その行き着く先にあるのがこの「完全犯罪計画」だ。動機や接点が一見すると存在しない通り魔的な殺人事件はあるが、本来事件の大半は、怨恨や人間関係のトラブルによって起こる。

そこを逆手に取り、一方的に、恣意的に付け狙って殺人を犯す、言わばストーカー殺人のようなものだ。

彼は誤った正義感から無関係な人を関係のない立場から大きなお世話ながら救い出す。根拠の希薄な大義によって動くのは、世界を救いたい傲慢さに酷似していて笑えない。

だがそれも勘のいい女学生にバレてしまう。
薬物の入手ルート、薬物の使用方法、動機、全て筋書き通りにバレてしまうから笑える。

本人は大層な計画を練ったつもりだろうが、随所が甘い。まるで彼の書いた論文のようだ。ツメが甘い。

そして、最大のツメの甘さ、勘のいい女学生殺人計画が失敗し、自らエレベーターホールから墜落し死ぬことで物語は終わる。

なんてことない。

頭の中で描くことは実際の現実世界では起こりうるすべての要因によって阻止されるということだ。特にそれが思いつきのものなら尚更だ。
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