Finn

怪物はささやくのFinnのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
4.0
「パンズラビリンス」のスタッフが紡ぐ、少年が抱く孤独と苦しみ、そして赦しの物語。

ずっと観る勇気が出なくて、ようやく観て号泣しました。
私自身、まだ若かった父を闘病の末に癌で亡くしているので、コナーの気持ちが痛いほど分かるし、コナーを通して当時の自分を見ているようだった。身近な人がどんどん弱っていく姿を目の当たりにするのは、本当に辛い。現実から目を逸らして、空想の世界に逃避しちゃうんだよね…。

"I wanted it to be over"
決してお母さんが亡くなることを望んでいるわけじゃない。だけど、この辛い状況から逃れたいっていう気持ちが浮かんでしまうコナーの罪悪感が生み出した怪物。
その怪物が「その気持ちは悪いことじゃない」って言ってくれたことで、コナーは最期にお母さんと向き合うことができた。それはきっと、コナー自身が自分を赦せた瞬間だったんだと思う。

お母さんの「あなたが言いたいことは全部分かってるから後悔しなくていいよ」って言葉に、私も救われた気がします。

イギリスの街並みとか家の外観とか、特におばあちゃんの家が昔住んでた家にそっくりで懐かしかった!
怪物のお話のシーンは、ファンタジックな絵の感じがとても好きだった。作品全体的に映像が美しい。

リーアム・ニーソンの声が渋くて良かった。写真に写ってたから、コナーのおじいちゃんだったのね。
コナー役の子もお母さん役のフェリシティ・ジョーンズも、素晴らしいお芝居で胸を打たれました。

誰が観ても心に響く作品だけど、私は個人的な感情が強すぎて泣きまくりでした(笑)
本当に観て良かった!
Finn

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