ぶれ

怪物はささやくのぶれのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジー作品に間違いはないが、ファンタジー作品だと言って紹介するにはとんでもヒューマンドラマな作品。こういう作品はあまり視聴しないのだが、ストーリーやセリフの言い回し、12歳の少年の細かな感情の機微が見られて、とても良かった。

この作品における怪物の役割は、様々な捉え方が出来ると思うが、自分は母親の願いだと解釈した。恐らく、主人公がもっと幼かった時に母親から聞いた話(今はほとんど覚えていない)が、主人公の心の状態や置かれている環境から、あの段階になって怪物として発露した物だとは思う。だが、それにしては主人公に寄り添い過ぎている怪物に違和感が残るし、母のノートに怪物と怪物がした話の絵があるのも不可思議である。
母親は自分の病気が治らないだろうと知っていたため、早い段階から主人公の成長を案じて、何かあった時に助けになるような話をしていたのではないだろうか。これは愛そのものだと言えるだろう。

感動した!泣いた!のようなコピーがつけられている映画は本当に苦手なのだが、こういう「考える猶予があって感動できる映画」はとても良い作品だと思う。劇場で見れたらどれだけの迫力があったのだろうと、公開当時気付けなかったことが少し残念になった。
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