くりふ

ハッピー・ニュー・イヤーのくりふのレビュー・感想・評価

ハッピー・ニュー・イヤー(2014年製作の映画)
4.0
【踊る大盗賊戦】

Netfrixの配信にて。最近会ってないディーピカちゃん目当てで期待薄だったが…オモロイやん!夜中に3時間イッキ見。ユル過ぎボリウッド作だがタイミングがよかった。

日本公開されるインド映画はごく少ないが、変化に富む数作を経て『バーフバリ』の高みまで登った後、本作見たらばぐるり一周、お気軽ボリウッドに戻った感。この原点回帰な楽しさよ!…2014年という微妙な過去作ではあるものの(笑)。

ファラー・カーン監督作だとはOPで知る。『恋する輪廻』しか見ていないが、こちらの方が気に入った。質はアッチが高かろうが、コッチの方が波乗りしやすい。全員参加のスペクタクル見せ場盛り盛りだし。

で、さすが本業コレオグラファー、ダンスシーンは美味しさ連発だ。

復讐のため相手のお宝を盗み、相手を犯罪者に仕立てようとする…との物語は、この監督には不向きと思い、見たらば実際そうだったが…そのために“踊らねばならぬ大盗賊”という無茶なアイデアが盛ってある。コレが楽しい!

相変らず達者な『きっと、うまくいく』の学長役、ボーマン・イラニおぢさんまで、派手な衣装で踊るですよ!

始まってしばらくのギャグやパロディ?などにはまったく乗れなかったが、ディーピカちゃん登場辺りから流れが変わった。で、物語より語り方の魅力強かな。全体貫くトーンが軽妙かつ常に躍動。語るというより、快楽装置と成ることに徹しているのかも。

作品背景としては、経済低迷期を経ての、モディ政権への期待がこもったようですね。堂々国威発揚するのはインド映画でよく見ますが、本作でのそれには、あまりいやらしさは感じなかった。インド人そのものの魅力を、歌に込めて売ろうとしているからか。

ディーピカちゃんにああ歌って踊られたら、もお頷かざるを得ません。

ディーピカちゃんは、物語優先で人物縛られる箇所あるものの、意外とトンデモキャラで楽しかった。ビジュアル的には満足。ダンスの大見せ場も三か所くらいある。

一方シャールクは…もうどっちでもいいかな(笑)。若い頃は織田裕二だったが、最近は岡田准一に見えるな。

タイトル通り、正月映画として見たかった…とは思う仕上がり。大画面・良音響ならもっと楽しめたことでしょう。

<2018.7.13記>
くりふ

くりふ